民泊を始めるには、どういった手続きがいるのか

まずはじめるにあたって、特区民泊、旅館業民泊、民泊新法のどの形態で民泊をはじめるか決めないといけません。ここではそれぞれの手続をみていきましょう。

特区民泊をはじめるには、国家戦略特区で民泊条例がある地域でないといけません。そして行政に営業の申請をして「認定」を受けなくてはなりません。

旅館業民泊では、旅館業法の簡易宿泊所は「許可」を受けることになります。
民泊新法は、事業者が都道府県知事へ「届出」をすることになっています。

*認定  公の機関がそのじじつの確認を行うこと(特区民泊)
*許可制 基本的には禁止しているものを行政が許可した時に行為を行ってよいというもの(旅館業法の許可)
*届出制 禁止されているのではなく、違法行為が行われた場合にそれを把握しておくために届出がいる(民泊新法)

でもその前に、どういう物件が申請できるかも知っておかないといけません。特区民泊の物件選びはこういう感じになります。

1 民泊施設の物件の建物のオーナーや管理組合の協力を得ているか?
2 建物の用途が共同住宅、寄宿舎、または一戸建ての住宅であるか?民泊新法ではこれ程厳しくありません。
3 実施できる地域に建設されているか?
4 容積率(一棟マンションの場合) 旅館業法では10人未満であれば、宿泊者1人あたり3.3㎡、民泊条例では25㎡、民泊新法では延床面積の要件はありません。 *容積率 敷地面積に対する建築物の延床面積の割合
5 消防用設備はあるか?

こういった要件を備えた物件を用意しないといけません。

次は行政の関係局への対応です。関係してくるのは保健所、建築基準法を取り扱っている部署、消防署、ゴミなどの廃棄物を取り扱っている部署、などです。

特区民泊では認定の申請をするために、お世話になるのが保健所です。提出書類だけでも十数枚になるでしょう。説明会を利用したり、事前に予約を入れ事前相談を受けておくことをお薦めします。

物件が建築基準法に適合していない場合は相談が必要です。例えば事務所を宿泊施設に転用しようと考えている方などは用途変更の手続きをしないといけません。

消防関係も事前確認が必要です。該当物件の住所を伝えると、申請のためにどんな設備が必要であるとかを教えてくれます。注意すべき点としては物件全体の何%を民泊として利用するのかによって、消防法を満たす基準がかわってくるので、注意が必要です。

ゴミ関係は環境局などに相談しましょう。民泊ではお客が出すゴミを「事業系ゴミ」として扱います。原則一般ごみと一緒に出せないようになっています。事業開始までに「廃棄物の処理に関する報告」の書類を提出しないといけないところもあります。

このように民泊をやるには、本格的にやろうとする場合は複雑な行政への手続が必要になってきます。何度も足を運ぶ覚悟でやりましょう。