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旅館業法とはどんな法律なのか

旅館業法は、金銭をもらって、宿に宿泊させる形態の基本である法律でした。今もそれには変わりませんが、宿泊施設の足りない状況などから民泊が生まれてきて、Airbnbなどで、気軽に部屋を貸し金銭を得れる状況になり、昔のままではいけないということになり、

もっと簡単に宿泊業ができるようにと考えられるようになってきました。そこで、簡単に宿泊事業を始められるようにと考えられたのが、住宅事業法(民泊新法)です。確かにかんたんに宿泊事業を始められるようにしましたが、

制限も設けていて、営業日数が180日以内という条件があります。これは本格的にビジネスとして民泊を始められる方にとっては、厳しい条件です。

やはり本格的に取り組もうとされる方は旅館業法で規定されいる「簡易宿泊営業」に基づいて民泊を始めるのがよいのではないでしょうか。手続きは住宅事業法(民泊新法)や特区民泊と比較すると、難しくなりますが営業日数の制限がないので、経営が成り立ちやすいです。

旅館業法では旅館業を4つの形態に分けています。『ホテル営業」、「旅館営業」、「簡易宿泊営業」、「下宿営業」の4つです。ここでは民泊に大きく関係してくる「簡易宿泊営業」について詳しくみていきましょう。

「簡易宿泊営業」は、旅館営業法では、次のように定義されます。宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。

言い方は難しいですが、大人数で一緒に泊まれる施設で、宿泊料を取り宿泊させるところで、下宿ではないもの。って感じでしょうか。これでは旅館や、ホテルとの違いがわかりませんね。旅館業法施行令では、違いがわかります。

1. 客室の延床面積は、33㎡以上であること。

2. 階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね一m以上であること *階層式寝台→段段になっているベッドのこと *簡易宿所は一律に「33㎡以上」としていた簡易宿所の面積基準を「宿泊者が10人未満の場合は1人当たり3,3㎡」に緩和しました。

この条文から寝る場所を提供するところ、それが簡易宿所と考えてもらっていいです。

旅館業を申請するところは保健所になります。各自治体によって条例で細かく規定されています。許可要件の一般的なものをご紹介します。

1. 旅館業法違反者でないこと

2. 寝具を提供すること

3. 環境を害さないこと 等が挙げられます。

旅館業法を民泊に関係しそうなところを大まかに見てきましたが、民泊をやるうえでまるっきり知らないのは問題ですが、こういうものかとだいたい理解して頂けたらと思います。

特区民泊のはじめ方ってあるの

特区民泊をはじめるには、特区である地域に住んでいるか、または特区にめがけて民泊をはじめようと物件を探すかのどちらかになりますよね。民泊の特区であるところは平成29年11月現在、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県成田市、千葉県千葉市)、

関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)、新潟県新潟市、兵庫県養父市、福岡県福岡市、福岡県北九州市、沖縄県、秋田県仙北市、宮城県仙台市、愛知県、広島県、愛媛県今治市です。それ以外の地域では今のところできないということになります。

運良く特区に指定されている地域だったとしても、その地域ごとの手続きが異なってくるので注意してください。

まず申請可能な物件であることが必要になります。

1. 建物の用途が共同住宅、寄宿舎、または一戸建ての住宅であるかが条件になります。用途が事務所になっている場合などは用途変更が必要になってきます。

2. 次に建物のオーナーや管理組合の協力が得られるかです。特区民泊の申請で施設の所有者と賃貸者の許可が必要になってくるのですか、規模が大きい場合などは防火管理者を設けたり、ゴミの廃棄は事業系ゴミとして業者に回収を依頼しなくてはならないであるとか、

出入り口に民泊施設がある表示をすることも義務付けられています。マンションで民泊をやるには、オーナーさんの許可があるだけでなく、全面協力が得られないと難しいようです。

3. 実施できる地域であるか これは地域によって変わってくるようですが、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、第一種住居地域では3000㎡以下と定められています。

4. 25平米以上の居室であるか。この面積にはふろ、トイレ、台所、などは含みません。

5. 消防用設備は整っているか。申請をする上でハードルが高いとされている「消防法令適合通知書」を交付してもらわないといけません。

特区民泊の申請までの流れ

まず物件が申請できるかどうか→保健所へ確認(説明会あるいは個別相談で申請の流れを理解しておく)→建築基準法の確認(建物の用途を確認、用途変更が必要の場合は手続きをする)→消防署に相談、申請(消防法令適合通知書の申請、現地確認、消防法令適合通知書の交付)

→環境局に相談、申請(廃棄物の処理方法、廃棄物の処理に関する報告)→保健所に相談、申請(申請書類の確認、提出、現地調査、認定書類の受取)

これで認定を受けてから今度は近隣住民への説明をおこなわないといけません。説明会を開かなくてはなりません。そこで来られなかった方にはポスティングでの説明でも可能ということになります。

申請を進めるポイントは行政の説明会に行くとわかるでしょうが、すべての書類は2部必要になってきます。申請書類の表記方法は独自の表現でなく「手引」に従って書く。許可書類は「物件の所有者にもらうこと」また物件の所有者である証拠書類も必要です。

また消防署と保健所の現地確認もありますよ。

結構たいへんだと思います。本格的なビジネスでやる方以外だと挫折するかもしれませんね。

住宅宿泊事業法(民泊新法)の注意する点

住宅宿泊事業法(民泊新法)が制定されました。今までの旅館業法や特区民泊と比較すると、民泊をはじめるハードルは低くなっています。しかし、民泊で本格的にビジネスを始めようという方には不向きな法律になっているようです。

というのは、日数制限があるからです。この法律では年間180日以内と決まっているからです。半年は営業できなくなります。180日以上民泊をしたいとお考えの方は、現在と変わらず旅館業法に基づく民泊、または特区民泊をやるしかないということです。

住宅宿泊事業法(民泊新法)で民泊をするのは、純粋に国際交流を求めている方や、空いている部屋を有効利用して副業的におこなう方向きだと理解しておくべきでしょう。

しかし、東京周辺などにお住まいの方でしたら、オリンピック特需がありそうなので、一時期だけでも宿泊料金の高騰が期待できるので、そこに期待してやってみるのも面白いかもしれません。

現にリオオリンピックではAirbnbがスポンサーになっており、かなり儲けることのできた民泊経営者もいるようですから…

話を戻しますが、届出は都道府県知事あるいは保健所設置市等におこないます。

届け出するのは、1氏名、住所 2管理業務を任せる場合はその住宅宿泊管理の情報、3住宅の所在地、図面、4その他の省令で定める事項など です。これらはインターネットで届出ができるようですよ。(あくまでも見込みですので注意してください。)

ハードルが下がったとはいえ、宿泊客との間の仲介を、旅行業者又は住宅宿泊仲介業者に依頼すること、住宅宿泊事業の標識を掲示すること、宿泊者の衛生及び安全の確保を図るために必要な措置を講じること、

宿泊者に対して、周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関して必要な事項を説明すること、周辺地域の住民からの苦情および問い合わせに対する対応、外国人観光客に対する外国語を用いた説明、宿泊させた日数を届出先に定期報告すること等を義務付けしています。

これだけのことをおこなうのはけっこう大変だと思います。できない場合は管理業者への委託もあると民泊のサイトを調べていると出てきます。色々なビジネスが生まれているようですね。

あと民泊のニュースをみかけると、周辺住民とのトラブルが本当に多いようです。最近では民泊の利用者の行ったことで、他の住人の方が迷惑がかかったとして、マンションの所有者に対して裁判を起こされたということもあるようです。気をつけたいところです。

住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく民泊のはじめ方

通称、民泊新法の正式名称は住宅宿泊事業法になります。この法律は今までの旅館業法の営業形態や特区民泊にあてはまらない、新しい営業のかたちである「住宅宿泊事業」に関する法律です。

「住宅宿泊事業」の対象は「旅館業法」の対象外であることとして、宿泊日数が180日をこえないものとしています。

住宅宿泊事業法では、ホテルや旅館の形式ではなく、一般の住宅で行うことを前提にしています。民泊施設として提供する家屋の建物用途も「住宅、長屋、共同住宅、寄宿舎」の扱いになります。

住宅宿泊事業者(家主)、住宅宿泊管理業者、住宅宿泊仲介業者と3つの役割に対して規制を課し、適正な管理、運営を行う仕組みを作ろうとしています。

この法律で民泊をおこなう人のことを「住宅宿泊事業者」といいます。そのためには都道府県知事(保健所設置市はその首長)に対して届け出が必要になります。

届出は、1 商号、名称または氏名、住所(法人の場合は役員氏名)、2 住宅の所在地、3 営業所または事務所を設ける場合はその名称と所在地、4 住宅宿泊管理業務を委託する場合は、委託先の住宅宿泊管理業者の商号など、5 図面の添付、この5点を届け出ます。

届け出をするためには物件を選ばなくてはなりません。住宅宿泊事業法(民泊新法)に合致する物件とはどんなものでしょうか。

旅館業法の規定などと比べると、だいぶ要件が緩和されています。「家屋の中に台所、浴室、便所、洗面設備等の設備」があり、「実際に人の生活拠点として使われているところ」または「民泊利用の前後に人に貸し出ししている家屋」と定義されています。

つまり台所、お風呂、トイレ、洗面所があり、人が住むのに問題なければ問題なさそうです。物件選びは少し楽になったのではないでしょうか。当然立地条件などは考える必要がありますが…

楽になったとは言え、マンションを賃貸契約して、それを民泊に利用するのであれば、建物のオーナーや管理組合の協力を得ているか等、従来の民泊の形態と同様に注意しなくてはなりません。

民泊の物件選びにも関係するのいですが、そもそも何を目的に民泊を始めるかによって変わってくると思います。空き家などを利用し、多少の収益が上がればいいなあという程度であれば、住宅宿泊事業法(民泊新法)の家主不在型をお薦めします。

外国人観光客と文化交流を目的とするのであれば、今回のテーマである住宅宿泊事業法(民泊新法)の家主居住型が良いと思います。投資を目的とするのであれば、営業日数制限のない旅館業法の規定を受ける民泊を選ばないといけないでしょう。

物件を選び、行政に届け出を出すまでを書かせていただきました。具体的に運用などに関してはAirbnb編で詳しく書かしてもらおうと思います。

知っておきたい! 民泊の税知識について

民泊での税金の取り扱いも勉強しておきましょう。民泊にかかわらず一定以上所得が入れば、確定申告が必要になってきます。民泊を副業として行っている場合、所得額が20万円以上になると確定申告が必要になってきます。

*所得とは収入から経費を引いた金額

民泊のみの所得という方は、38万以上を超えると確定申告の必要が出てきます。それでは確定申告で、民泊で得た所得を何所得にするのでしょうか。

自宅の空き室を貸し出した場合は雑所得になります。また自宅の一室を民泊とした場合は、住宅ローン控除の適用を受けられなくなる恐れがあります。現在は申告自体をしていない方もいるようですが、民泊の広がりを考えても、これから法整備が進むことが予想されます。

税務署に確認を取っておいたほうがよいでしょう。

自宅以外で所有しているアパートや、マンションを民泊に利用した場合は、賃貸業をしているということになり、不動産所得になります。賃貸アパート、賃貸マンションを借りて民泊に利用した場合も又貸しになり、不動産所得になります。

後者の場合は事業としてやられる方も多いでしょう。事業としてやるのであれば、5棟10室が基準になってきます。そうなれば事業所得となり青色申告ができるようになります。最大65万円の特別控除が利用することができます。

所得金額を出すためには経費がどれだけかかったかを把握しておかなければいけません。民泊の場合、家賃、固定資産税、減価償却費、損害保険、水道光熱費、借入利息、通信費、掃除道具、寝具、テレビ、手数料などを経費として計上できます。

自宅を民泊として利用している場合は、貸している部分のみ経費とすることができます。

*経費 収入を獲得するために必要だったもの、使ったもののこと

確定申告が必要ない方でも、税務署から問い合わせがくることがありますので、領収書、レシートなどを保存しておくとよいでしょう。

あと宿泊税については、現在東京都、大阪府で導入されています。その取扱について説明しておきます。

東京都、大阪府とも1泊10,000円未満の場合は課税を行っていないですが、今後課税対象の金額が変わってくることもありますので参考にしてください。

仕組みとしては、宿泊施設の経営者が宿泊者から税金を徴収し、宿泊者に変わって都道府県に納入するものです。消費税と同じ感じです。

このように宿泊税の取りまとめも民泊をやるうえで必要になってきます。覚えておいて損はないと思います。

意外と多い民泊の違法営業 どんな危険性があるのか

民泊を合法的におこなうには、どのような形態の民泊であっても認定をうけたり、届出をしたりと、手続きが大変です。そこで営業許可をを取らずに民泊をやっている人が大勢います。またそんな法律のことを全く知らずに民泊を営んでいる方もいます。

でも法律を知っている、知らないにかかわらず、罰せられます。6ヶ月以下の懲役または3万円以下の罰金を科すと定められています。

最悪逮捕、懲役というお話をしましたが、合法的に民泊を運営していないことで、警察への相談ができないなどデメリットがあります。トラブルが起こった時に、違法営業だと困ることが多いです。

責任問題に発展した場合、違法営業だとなおさら賠償問題など大変なことになりかねません。

民泊での手続きは消防関連のことも多くなっています。というのも窓がなかったり、消防設備が不十分なため宿泊者が最悪死亡してしまうケースを防ぐという観点からです。

そして、火災保険は宿泊施設などの営業目的で利用している場合と一般の家庭の場合とは保険料も条件も変わってきます。違法で行っている時は保険が降りないケースも発生するようです。

そもそもなぜ民泊を自由化しないのかと言えば、衛生上の危険性や近隣住民とのトラブル、治安上の危険性、責任が誰にあるのかが明確でないなどの理由からです。

衛生上の危険性からいいますと、一般にホテルや旅館では個人確認をおこなっています。個人確認は感染症が発生した際の感染経路特定や、被害拡大を防ぐのに重要な役割を果たしています。設備の衛生面からも法律を厳守することでメリットが出てきます。

例えば寝具の取扱の規定など事細かに規定が置かれています。宿泊客が安全で清潔な環境の中で宿泊できる状態を保つのに大きな役割を果たしているのです。

近隣住民とのトラブルで多いのはゴミの分別が挙げられます。ゴミの分別は地域によっては厳しく決められています。そのルールを案内していないケースや、案内をされていても守らないことがありトラブルになっています。

民泊イコールトラブルが多いというイメージを持たれるのも、違法民泊が多く存在し、法律を守っていないからとも言えるのではないでしょうか。

治安上の危険性としては、ネット上のやり取りだけで個人確認をしていない場合違法薬物や売春の温床になってしまう恐れも出てきます。また東京オリンピックをひかえテロ対策は重要になっていますが、民泊はテロリストの潜伏先にもなってしまいます。

このような危険の対策を講じていかないと、民泊ビジネスにとってもマイナスになります。

民泊には様々な問題があります。こういうトラブルが合った場合に誰が責任を負うのでしょうか。感染症が発生した、火事が起こった、傷害事件があったなど、違法営業だと責任の所在がはっきりしませんし、その覚悟もないかもしれません。

手続きは複雑で、面倒かもしれませんが、民泊を経営する上で必要なことも示してくれる法律に基づいて、民泊をやりましょう。

民泊を始めるには、どういった手続きがいるのか

まずはじめるにあたって、特区民泊、旅館業民泊、民泊新法のどの形態で民泊をはじめるか決めないといけません。ここではそれぞれの手続をみていきましょう。

特区民泊をはじめるには、国家戦略特区で民泊条例がある地域でないといけません。そして行政に営業の申請をして「認定」を受けなくてはなりません。

旅館業民泊では、旅館業法の簡易宿泊所は「許可」を受けることになります。
民泊新法は、事業者が都道府県知事へ「届出」をすることになっています。

*認定  公の機関がそのじじつの確認を行うこと(特区民泊)
*許可制 基本的には禁止しているものを行政が許可した時に行為を行ってよいというもの(旅館業法の許可)
*届出制 禁止されているのではなく、違法行為が行われた場合にそれを把握しておくために届出がいる(民泊新法)

でもその前に、どういう物件が申請できるかも知っておかないといけません。特区民泊の物件選びはこういう感じになります。

1 民泊施設の物件の建物のオーナーや管理組合の協力を得ているか?
2 建物の用途が共同住宅、寄宿舎、または一戸建ての住宅であるか?民泊新法ではこれ程厳しくありません。
3 実施できる地域に建設されているか?
4 容積率(一棟マンションの場合) 旅館業法では10人未満であれば、宿泊者1人あたり3.3㎡、民泊条例では25㎡、民泊新法では延床面積の要件はありません。 *容積率 敷地面積に対する建築物の延床面積の割合
5 消防用設備はあるか?

こういった要件を備えた物件を用意しないといけません。

次は行政の関係局への対応です。関係してくるのは保健所、建築基準法を取り扱っている部署、消防署、ゴミなどの廃棄物を取り扱っている部署、などです。

特区民泊では認定の申請をするために、お世話になるのが保健所です。提出書類だけでも十数枚になるでしょう。説明会を利用したり、事前に予約を入れ事前相談を受けておくことをお薦めします。

物件が建築基準法に適合していない場合は相談が必要です。例えば事務所を宿泊施設に転用しようと考えている方などは用途変更の手続きをしないといけません。

消防関係も事前確認が必要です。該当物件の住所を伝えると、申請のためにどんな設備が必要であるとかを教えてくれます。注意すべき点としては物件全体の何%を民泊として利用するのかによって、消防法を満たす基準がかわってくるので、注意が必要です。

ゴミ関係は環境局などに相談しましょう。民泊ではお客が出すゴミを「事業系ゴミ」として扱います。原則一般ごみと一緒に出せないようになっています。事業開始までに「廃棄物の処理に関する報告」の書類を提出しないといけないところもあります。

このように民泊をやるには、本格的にやろうとする場合は複雑な行政への手続が必要になってきます。何度も足を運ぶ覚悟でやりましょう。

民泊のあり方が変わる!民泊新法とは

民泊新法の正式名称は住宅宿泊事業法になります。

民泊新法では対象を3つに分類しています。①住宅宿泊事業にかかわるもの(民泊ホスト)、②住宅宿泊管理業者(民泊運営代行会社)、③住宅宿泊仲介業者(民泊仲介サイト)です。

3つに分類し、それぞれに対して適切なルールを定めることにしました。

住宅宿泊事業者(民泊ホスト)の監督官庁は都道府県知事
住宅宿泊管理者(民泊運営代行会社)の監督官庁は国土交通大臣
住宅宿泊仲介業者(民泊仲介サイト)の監督官庁は観光庁長官

◯民泊ホストのやるべきこと

民泊ホストは都道府県知事にに対して「届け出」をおこなうことで、旅館業法の許認可がなくてとも、住宅宿泊事業が可能となる。(民泊することが出来るということ。)

民泊ホストに必要な届け出
1 商号、名称または氏名。住所(法人の場合は役員氏名)
2 住宅の所在地
3 営業所または事務所を設ける場合はその名称と所在地
4 住宅宿泊管理業務を委託する場合は、委託先の住宅宿泊管理業者の商号など
5 図面の添付

民泊ホストの業務
1 一年間の営業日の上限は180日以内
2 各部屋の床面積に応じた宿泊者数の制限、清掃など衛生管理
3 非常用照明器具の設置、避難経路の表示、火災・災害時の宿泊者の安全確保
4 外国人観光客向けの外国語による施設案内、交通案内
5 宿泊者名簿の備え付け         
6 周辺地域の生活環境悪化防止のため、外国人観光客に対する外国語を用いた説明
7 周辺地域の住民からの苦情、問い合わせに対する適切かつ迅速な対処
8 届出住宅ごとに公衆の見えやすい場所に国が定めた様式の標識を表示
9 宿泊日数の定期的な報告

民泊ホストは民泊の運営業務を住宅宿泊管理業者(民泊運営代行会社)に委託することが求められる。

どういう時か 届け出た住宅の部屋数が、民泊ホストとして対応できる適切な管理数を超える場合、届け出た住宅に宿泊者が滞在する際、不在となる場合などです。

◯民泊運営代行会社のやるべきこと
民泊運営代行会社(住宅宿泊管理業者)の登録
1 登録は5年ごとに更新
2 登録時には登録免許税(9万円)の支払
3 商号、名称または氏名、住所(法人の場合は役員氏名)
4 営業所または事務所の名称および所在地

民泊運営代行会社(住宅宿泊管理業者)の業務
1 名義貸しの禁止
2 誇大な広告の禁止
3 管理受託契約の締結時には、書面の交付による説明
4 管理業務の全部の再委託の禁止
5 従業員に対し、登録業者である証明書の携帯の義務づけ
6 営業所または事業所ごとに国が定めた様式の標識を掲示

◯住宅宿泊仲介業者(民泊仲介サイト)のやるべきこと
民泊運営代行会社の登録と同じ

住宅宿泊仲介業者(民泊仲介サイト)の業務
1 名義貸しの禁止
2 宿泊者との宿泊契約「住宅宿泊仲介契約」の締結に関し、住宅宿泊仲介業約款を定め、実施前に観光庁長官へ届出が必要
3 民泊ゲストおよびホストから受ける手数料の公示
4 宿泊者との宿泊契約締結時、書面の交付による説明
5 営業所または事業所ごとに国が定めた様式の標識を掲示

法律に違反した時はどうなる

登録がない状況で民泊運営代行や仲介サイトを運営
不正な手段により登録を受けた場合
名義貸しをして、他人に運営代行や仲介サイトを運営させた場合

以上のような法律違反が行われた場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる。民泊ホストが虚偽の届出をした場合は6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金になる。

民泊新法ができ、これまで民泊をグレーゾーンでやってきた方にとっては、厳しい時代になるでしょう。はっきりと法律ができているので、今までのようにみせしめ的な摘発ではなく本格的な摘発が強化されることも予想されますので、合法的におこないましょう。

民泊にはさまざまな種類がある、その違いについて

このブログのシリーズで何度か触れてきましたが、民泊には大きく分けると3種類あります。

特区民泊:国家戦略特区としてしていされていて、民泊条例を制定した地域でおこなう民泊のことです。特区民泊を行うには行政の認定が必要です。地域ごとに手続きが若干異なることに注意してください。

旅館業法民泊(簡易宿所);旅館業法の4類型の1つである「簡易宿所」の定義に当てはめて、民泊でも旅館業の許可申請を取るようにうながしたのもの。「旅館業に該当する民泊サービス」を提供する場合に、旅館業の許可が必要になってきます。

民泊新法:住宅宿泊事業法で定義される民泊は、旅館業法の対象外の宿泊施設とされています。

さらに3種類の民泊を詳しくみていきましょう。

特区民泊は国家戦略特区に指定されている自治体が条例を定め、都道府県知事が認定した施設について、特例として旅館業法の適用除外を受けられる制度です。民泊条例が制定された当初の特徴は、宿泊日数が6泊以上としていることでしたが、

2泊3日以上に緩和され、特区民泊も注目されるようになりました。特区民泊では、住居専用地域で、営業させる自治体と、旅館業のようにホテルの営業が出来る地域でないと営業できない自治体があります。

旅館業法民泊(簡易宿泊)は営業日数の制限がなく、宿泊日数の制限もないので、本格的に民泊をはじめたい人には最適かもしれません。しかし、旅館業民泊(簡易宿泊所)は住居専用地域では出店できなかったり、

消防法や建築基準法などクリアしないといけない課題がたくさんあります。許可を取るのが難しいと考えておいてください。

民泊新法、これの特徴はお手軽に民泊をはじめられる点ではないでしょうか。住宅を宿泊施設としても貸し出すことができ、住居専用地域での営業も可能です。しかしこれにもデメリットがあります。

年間180日未満で設定される営業日数の上限です。ただ旅館業のような許可制ではなく、届出制なのでハードルは低めになってくるようです。

代表的な民泊はこの3つですが、この3つ以外のも民泊は存在します。イベント民泊、農泊と呼ばれるものです。

イベント民泊は、年に数回(1回あたり2〜3日程度)のイベントを行った時に、あくまでも一時的に宿泊施設を提供できるものです。イベント開催時に宿泊施設が不足することを見込み旅館業法の許可がなくても宿泊サービスを提供できるものです。

最後に農泊と呼ばれる民泊は、農林水産省では「都市と農山漁村の共生・対流とは、都市と農山漁村を行き交う新たなライフスタイルを広め、都市と農山漁村それぞれに住む人々がお互いの地域の魅力を分かち合い、「人、もの、情報」の行き来を活発にする取組です。

農山漁村滞在型旅行である「農泊」を中心に、グリーン・ツーリズム、農山漁村における定住・半定住等も含む広い概念であり、都市と農山漁村を双方向で行き交う新たなライフスタイルの実現を目指すものです。」と位置づけ、正式名称を「農林漁業体験民宿」といいます。

こちらも徐々に規制緩和が進められている状況です。

民泊ってなに?現状はこうなっている

民泊に興味を持つ理由は人それぞれだと思います。「外国人観光客と交流したい。」であるとか、マンションオーナーの方が「空いた部屋を有効活用したい。」などさまざまです。

現実にここ5年間の外国人の訪日人数は2012年に835万人だったものが、2016年には2403万人になっています。ここ5年で3倍になっているのです。慢性的に宿泊施設が不足している状態になっています。

つまり、民泊産業の需要が高まっていくことは、間違いないことだと思います。

そこで、民泊を始めようと思う方も当然多くなると思います。ただやろうと思っても行政手続きなど、意外と複雑で挫折しやすいのも事実です。民泊は思っているほど簡単でないと理解することが、民泊をはじめる第一歩かもしれません。

では民泊とは、文字通り「民家に泊まること」ですが、現在では観光客に個人の住宅や投資物件を有料で貸し出すビジネスモデルを「民泊」と呼ぶようになってきています。

しかし、従来の旅館業法に照らし合わせると、ほとんど要件を満たさず、無許可の違法民泊になってしまうというのが、今の現状です。そこで2014年には、旅館業法の特例を認める条例を定めたものが「特区民泊」です。

さらに2016年に、旅館業法の改正と新しいビジネスモデルの「民泊」を担当する法律が必要になってきました。それが「民泊新法」と呼ばれるものです。だいぶ要件を緩和してきていますが、民泊をやる方にとってはネックがたくさんあります。

このように民泊の種類は、特区民泊、旅館業民泊、民泊新法の3つあります。

特区民泊のデメリットとしては 2泊3日以上の宿泊が必要などの制限がある。旅館業民泊のデメリットは合法的にやるのは有効、許可を得るのは難易度が高い。民泊新法のデメリットは年間180日以内の営業の制限が挙げられます。

日本の法律の側面から民泊をみてきましたが、今度は運営面から見てみようと思います。このサイトをご覧になっているみなさんならAirbnbという言葉は聞いたことがあると思います。

世界最大の民泊仲介サイトのことで、多くの方がこのAirbnbを利用して、民泊施設を運営しています。日本では2013年からサービスを開始しました。2016年には300万人以上のゲストがAirbnbを利用して日本の民泊施設に宿泊されています。

Airbnbが発表している、2016年、新年の人気旅行先ランキングをみてみると、東京は世界の中で7位に入っております。「2016年に訪れるべき16の地域」というのも発表しており、それによると1位に大阪市の中央区が選ばれています。

このように民泊の世界では、日本への需要が伸びている状況です。この追い風に乗って民泊をやってみませんか!